はな・アレルギーの症状
はな・アレルギーの症状

鼻には「外鼻」「鼻腔」「副鼻腔」が含まれ、呼吸・嗅覚・言葉や声の響きといった大切な役割を担っています。
鼻腔は空気の通り道として、加温・加湿・清浄化(異物の除去)を行い、副鼻腔は声の共鳴にも関わります。鼻腔の上側にある嗅覚器官(嗅上皮)は匂いを感じ取るセンサーで、味覚や食事の楽しみにも直結します。鼻の内側は、複雑な「骨・軟骨」の枠組みと、それを覆う「粘膜」でできています。
それぞれの部位の病気によって、「鼻づまり」「くしゃみ・鼻水」「においがしない」「顔の痛み」など、生活の質の悪化につながる症状が生じます。
外鼻は外から見える「はな」の部分で、皮膚と軟骨に覆われています。皮脂の分泌が多く、日常的に手で触れることが多いため、皮膚炎や感染が起きやすい部位です。美容的にも目立つ場所であるため、症状が長引くと生活の質にも影響します。
鼻の穴のうち指の届く範囲(鼻前庭)は、外界との境界にあたり、摩擦や汚れの付着で細菌感染が生じやすい部分です。アレルギー性鼻炎などで鼻をこする習慣や鼻毛抜きも原因となります。毛穴に感染が及ぶと毛嚢炎となり、赤みや腫れ、強い痛みを伴います。まれに膿瘍を形成することもあります。
ただれや腫れを確認し、抗菌作用のある軟膏を塗布します。症状が強い場合は抗菌薬の内服を追加します。再発予防のためには、鼻をいじる習慣を控えることも大切です。
鼻骨は、鼻筋にあたる部分の骨です。ボクシングなどのスポーツや転倒時の打撲によって鼻骨の薄い部分の骨が折れてしまうことがあります。骨折した骨がずれたまま固まると鼻筋がゆがんだり、鼻が低くなってしまうことがあります。特に、鼻を打った後に鼻血が出た場合には骨折を疑う必要があります。
CTで骨折の有無を確認した後、必要があればずれた骨を整復します。粉砕骨折の場合には全身麻酔下の手術が必要です。
鼻腔は鼻の穴から奥に広がる空間、副鼻腔はその周囲にある空洞で、空気の通り道として呼吸・嗅覚・発声に関わる重要な部位です。粘膜が入り組んだ構造をしており、炎症やアレルギーが起こりやすいのが特徴です。
最も多いのは鼻の入り口近く(キーゼルバッハ部位、鼻前庭前下部)からの出血で、乾燥や外傷(鼻をいじるなど)が原因です。後方からの出血はのどに血が垂れてくるのが特徴で、高血圧や炎症が原因のことが多いようです。
顕微鏡や内視鏡で出血部位を確認した上で、圧迫止血、止血剤塗布、電気凝固(焼灼)を行います。出血が多い場合には、軟膏タンポンを詰めて止血します。
ダニ・ハウスダストや、スギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉に対する免疫反応で発症します。主症状はくしゃみ・水様性鼻汁・鼻づまりで、目のかゆみや涙を伴うことも多く、集中力や睡眠の質に影響します。季節ごとに発症する花粉症(季節性)と、一年中症状が出るタイプ(通年性)があります。鼻の中を内視鏡で観察すると、特徴的な粘膜の浮腫や色調変化が分かります。アレルギーの血液検査でアレルギー陰性の場合でも、鼻にだけアレルギー反応が生じる鼻炎もありますので、粘膜の観察はとても大切です。アレルギー性鼻炎自体は、感染性の病気ではありませんが、鼻閉が続くことで副鼻腔炎(蓄膿症)になってしまうこともしばしばあります。咽頭にもアレルギー性変化が広がっていることもあり、風邪のような症状を引き起こします。
治療は抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイド薬を症状や重症度に応じて組み合わせます。副鼻腔炎の併発例では、抗生物質の内服が必要です。生理食塩水を用いた鼻洗浄は副作用が少なく有効です。アレルギー検査で原因が特定できた場合は、体質改善を目的とする舌下免疫療法を選択できることがあります。舌下免疫療法は、腰を据えて複数年続けていくことが大切です。重症例では、粘膜焼灼術や下鼻甲介手術を行い鼻づまりを改善させることもあります。
風邪(ウイルス感染)やアレルギーをきっかけに、副鼻腔へ細菌感染が広がり発症します。膿性鼻汁や鼻づまりのほか、顔の痛み・重さ、頭痛、発熱を伴うことがあります。鼻漏がのどにおちることで、夜間の咳が続くことがあります。喘息や気管支炎と紛らわしいため注意が必要です。診断には、鼻内内視鏡検査やCTが有用です。ウイルス性のかぜの症状が少し楽になったくらいで、鼻づまり、頭痛が出てきたら要注意です。
急性副鼻腔炎は、非常につらい病気ですので、まずはしっかり治療することが大切です。鼻粘膜の状態やアレルギーの有無などを参考にしながら、抗生剤、抗アレルギー薬、去痰薬、鎮痛薬などを組み合わせて症状を和らげます。鼻洗浄も有効です。気をぬくと繰り返したり、慢性化することがあるので、症状が治まったのちもしばらく内服治療を続けることがあります。運悪く急性副鼻腔炎を繰り返す場合には、副鼻腔の換気と排膿を改善するための手術を検討することもあります。
3カ月以上鼻汁や鼻づまりが続く状態を指します。鼻茸(ポリープ)ができやすいタイプとそうでないタイプがあります。膿性鼻汁や顔面痛・頭重感に加え、嗅覚障害を伴うこともあります。細菌感染、アレルギー、真菌(カビ)が原因のこともあり、特に好酸球性副鼻腔炎では再発が多く治療が難しいのが特徴です。喘息や自己免疫疾患と関係する場合には、呼吸器科や免疫膠原病科の治療も必要です。
診断には内視鏡やCTが有用です。背景にあるアレルギー体質や自己免疫体質のチェックが有用なこともあります。炎症の原因によって抗生剤、抗アレルギー薬、ステロイド、鼻うがいを組み合わせて長期的に治療します。改善しない場合は内視鏡下副鼻腔手術を行い、換気と排膿を改善させることがあります。手術だけで完治するわけではなく、術後に鼻うがいや点鼻を徹底し鼻内環境を整えることが大切です。
歯の根や歯周病から炎症が上顎洞に波及して起こる副鼻腔炎です。片側だけに発症しやすく、慢性化しやすい傾向があります。
鼻の治療に加えて、歯科での感染源治療(歯周病ケア、根管治療、抜歯など)が必要となることがあります。
鼻の中央の壁(鼻中隔)が左右どちらかに出っ張っている状態です。曲がりが強いと鼻づまり、乾燥による鼻出血、いびきの原因になります。
内視鏡やCTで鼻の構造を確認します。薬での治療が第一選択ですが、改善しない場合は手術(鼻中隔矯正術)で構造を修正し、鼻の通りを改善します。
鼻や副鼻腔に生じる腫瘍は、鼻づまりや鼻出血が初期症状です。多くは良性腫瘍ですが、悪性腫瘍の可能性もあります。特に鼻閉に加えて鼻出血を繰り返す場合には、注意が必要です。進行すると、眼が腫れてきたり、動きにくくなることもあります。
内視鏡や画像検査(CT・MRI)で病巣を確認し、組織検査で診断します。腫瘍の種類によって外科手術、放射線治療、化学療法を組み合わせます。
鼻づまりがあると口呼吸となり、いびきや無呼吸を悪化させます。原因として鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などが関与します。
まず鼻づまりを改善させることが大切です。鼻炎に対する治療や、お子さまのアデノイドや扁桃腺の切除、成人では鼻閉改善のための手術も選択肢となります。鼻づまりがない場合には、睡眠検査を行います。
通常は、より精度の高い診断のために高次医療機関で入院検査であるポリソムノグラフィーを受けていただくことをお勧めしますが、症状が強い場合にはご自宅で在宅睡眠検査を受けていただきCPAP治療(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を開始できることがあります。難治例では舌下神経電気刺激療法という新しい外科的治療も選択肢となります。
においが全くしない場合(嗅覚脱失)と、弱く感じる場合(嗅覚低下)があります。味覚の低下として自覚されることもあります。原因はウイルス感染(インフルエンザや新型コロナ)、副鼻腔炎、加齢、神経変性疾患(パーキンソン病など)など多岐にわたります。嗅覚の神経細胞は再生能をもつことが知られており、一定の回復が期待できる場合もありますが、根気強く向き合う必要があります。
副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎による鼻づまりが原因であればその治療を優先します。原因に応じて、点鼻ステロイド、抗アレルギー薬、亜鉛製剤などで治療します。「嗅覚トレーニング」(特定の香りを繰り返し嗅ぐリハビリ)を行うこともあります。
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